近年、深刻化するカスタマーハラスメント(以下、カスハラ)。顧客からの過剰な要求や暴言、脅迫は、従業員の心身を蝕み、企業の生産性低下や人材流出を招く深刻な問題です。そして、厚生労働省の調査によれば、接客業の従業員の約7割が何らかのハラスメントを経験しているという深刻な現実もあります。このカスハラは単なる迷惑行為でもクレームでもありません。従業員の人権を侵害し企業の社会的責任を問われる人権問題なのです。
本講演会・セミナーでは、「ビジネスと人権」という視点からカスハラ問題を捉え、経営者や社員が知っておくべき知識と具体的な対策を学びます。国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」でも明記されているように、企業には従業員の人権を守る責務があります。カスハラが企業に与えるリスクを理解し、従業員を守り企業価値を高めるための第一歩を踏み出しましょう。
2.「ビジネスと人権」の基礎知識
・「ビジネスと人権に関する指導原則」とは?
・企業が尊重すべき人権:労働者の権利、人格権、安全配慮義務
・カスハラはなぜ人権侵害にあたるのか?:パワーハラスメントとの違い
・企業が人権尊重に取り組む意義:ESG経営、SDGsとの関連
3.事例で学ぶ!カスハラの実態と企業のリスク
・カスタマーハラスメントについて
・世界のカスハラ事情
・不当要求、カスハラ、クレーム対応の調査分析を10年以上してきた「カスハラ」の実態
❶カスハラッサーの心理と行動傾向
❷アックスラーニングが提唱する【カスハラ対応マトリクス2024】の理解
❸カスハラ対応の基本スキーム
・カスハラの具体的な事例紹介(業種別、事例別)
❶飲食店: 執拗なクレーム、従業員への暴言、長時間拘束
❷小売業: 理不尽な返品要求、SNSでの誹謗中傷、威圧的な態度
❸金融機関: 高圧的な要求、個人情報の開示要求、脅迫的な言動
・事例から学ぶ、企業が負うべき法的責任と損害賠償リスク
・カスハラ放置による従業員のメンタルヘルス悪化、離職リスク
・企業イメージ毀損、顧客離れのリスク
4.実践!カスハラ対策:従業員を守るための具体的な方法
・企業としての対策:カスハラ対策方針の策定と明文化 (就業規則への明記)
・相談窓口の設置と周知
・研修の実施 (全従業員、管理職向け)
・マニュアル作成 (初期対応、記録、エスカレーション)
・弁護士、専門家との連携
・従業員向けの対策:
❶電話応対と対面では対応は全く異なる
❷対面における初期対応の原則 (安全確保、危険予知観察、記録、情報収集)
❸対面における応対方針の決定(応援要請、危険の通知、通報判断)
❹具体的な対処法 (話の収束、退席)
・カスタマーハラスメント対応研修導入時のポイント
・従業員のメンタルヘルスケア・回復までがカスハラ対応
5.カスハラ対策が進まない企業の特徴
・実は企業がカスハラを生んできた
・「そんなの無理だよ」と結局、抑止体制を取らない組織
・カスハラを抑止する考え
・従業員保護はアイディア勝負~人権尊重経営の実践を目指して